この記事書いた人

出身大学:慶應義塾大学
略歴:大学時代から中学受験の指導に携わる。
アルバイトでありながら、
オリジナル教材の作成や有名校の過去問研究に精を出し、
校舎の国語授業の満足度ランキング一位を獲得する。
その後、
本業の傍ら中学受験についての
情報発信やプライベートレッスンを事業として展開。
日々、精進中。※名前はビジネスネームです。
当サイトではアフィリエイトプログラムを
利用して商品を紹介しています
この記事でわかること
- 公立中高一貫校の作文試験攻略のポイント
- 作文試験で合格点をコスパよく引き上げる方法
- 作文試験の勉強の道のり
【よくあるお悩み】作文の書き方がわからない…
私は、2013年から中学受験指導に携わり、2017年からは、「中高一貫校専門の作文指導塾」を現在まで運営しております。現在も年間120名以上の添削を行っております。
多くの作文試験初心者の受験生やその親御さんが抱えている悩みが「作文の書き方がわからない」というものです。算数のように正解が明確ではありませんし、学校から示されている採点の指針も抽象的なものが多いです。
作文の書き方をマスターすれば短期間で点数を引き上げることが可能
現在、作文の書き方がわからないという方でもご安心ください。作文試験は、他科目以上にコスパよく点数を引き上げることができます。理由は3つです。
作文試験が他科目以上にコスパよく点数を引き上げられる理由
- 中学受験の作文の場合は題材が簡単である
- 記憶や知識を問うているわけではない
- 多くの受検生がしっかりとした対策ができていない
- 中学受験の作文の題材は簡単である
中学受験の作文の題材は、取り組みやすいものが多いです。基本的には、「総合的学習」に属するような題材であり、知識や深い思索を求めるものではありません。

こちらの記事で全国の出題実績とその分析を行っているので、ぜひご覧ください。
- 記憶や知識を問うているわけではない
作文という科目は、記憶量や知識を競うものではありません。もちろん、知識があった方が引き出しが多く有利ですが、中学受験の作文では影響は大きくありません。書き方のコツを習得すると一気に攻略できます。 - 多くの受検生がしっかりとした対策ができていない
多くの受検生は、対策が不十分だったり、対策の方向性が異なっています。作文試験の指導ができる講師が少ない上に、大規模なサービスとして展開しづらいので、指導の質も他科目に比べて低いです。



私の添削サービスでは、初回添削後、ほとんどの方が継続されます。その理由としては、「こんなしっかりとした添削を受けたことがない」というものです。
【分析】どんな問題が出題されているのか?
実際にどんな問題が出題されているのかを実際の出題実績をもとに解説していきます。
①題材は難しくない学校がほとんど!
いくつかの論点がありますが、作文試験の題材は、「総合的な学習」という枠組みに当てはまるものが多いです。難易度としては、以下の基準と考えてください。
- 総合的な学習
- 街づくりや学校運営、地域問題などを包括的に含んでいるジャンルになります。小学生が取り組みやすい難易度に設定されているジャンルです。
- その他のジャンル
- 総合的な学習以上に、専門性をもった出題ジャンルとして記載しています。文章や資料によって難易度は変化し、小学生に取り組みやすい難易度の学校もあれば、高難易度の学校も含まれています。


2024年の出題実績を見ると、6割以上が「総合的な学習」に属する題材からの出題になっています。
「総合的な学習」ジャンル作文の具体的な出題事例
- 災害ににつよい街についての記事の作成(2024年度/福山市立福山中学校)
- 学校のレクリエーションについての提案文(2024年度/徳島県共通問題)
- 放送委員会への改善提案(2024年度/青森県立三本木高等学校附属中学校)
- 夢を実現するために大切なこと(2024年度/大阪府立富田林中学校)
「総合的な学習」に属する問題であれば、精密な読解や思索を要する分析ではないので、作文の書き方の対策によって点数を安定化させることができます。



逆に、国語読解が本格的に出題される学校だと、難易度は高まります。
②字数は400字程度が基本!
2024年度の出題実績を見ると、400字程度の文章が書ければ問題ありません。作文としての書き方を理解して、具体例の補足の仕方を学べば、無理な文字数ではありませんし、むしろ足りない!となるくらいの文字数です。
合格点を取る作文の書き方3つのポイント
ここでは一般的な文章の書き方ではなく、「作文で合格点を取るための書き方」を解説していきます。ポイントは、ただ文章を書けばいいというものではないということです。
ポイントその1設問に答える
小学生から高校生、幅広い作文添削を行ってきましたが、多くの受験生がつまずくのが「設問に答えられていない」という点です。いわゆる「論ズレ」です。初回の添削で設問にしっかり答えられている解答は、ほぼないといっていいぐらい、ほとんどの解答が論ズレを起こしています。以下に代表的な論ズレの例をまとめてみました。
中学受験作文における論ズレの代表例
- 〜〜のために中学校や高校で何を学びたいですか?
- 論ズレしている解答例:私は、〜〜において、〇〇が重要だと思います。
- 文章を読んで、筆者の傍線部の考え方に触れ、それについてのあなたの意見を書きなさい
- 論ズレしている解答例:筆者は、〜〜と言っていると私は思います。
上記が、論ズレの具体例です。このように簡略化して書くと、「そんなズレている作文なんてある?」とびっくりするかと思います。しかし、これくらいズレたことを解答している受検生がかなり多いのが実態です。初手でズレていれば、制限文字数全体を埋めたとしても、そもそもズレている内容なので、点数が大幅に下がってしまいます。
一般的な作文指導では、「文字数の8割を埋めること」というアドバイスがされがちです。その指導が間違っているとはいいませんが、「8割埋めること」が目的となっている受検生が多いです。あくまで、設問に適切に答えていることが前提です。



作文試験では、複数の設問が設定されることも多くの、その場合全ての設問にしっかり答えることが重要になります。複数の設問を適切に処理できている受検生となる割合は非常に低いです。
ポイントその2難しいことを書こうとしない
「環境問題」「情報化社会」「地域問題」といった作文テーマを差し出されると変に難しい解答を書こうとする受検生が非常に多いです。
中学受験作文において変に難しい解答を作ろうとしてしまっている例
- 社会問題の解決として、国や企業、地域全体といった大きな主語で話を展開する
- 環境問題の解決として、国民全体として云々といった形で話を展開する
小学生に求められている解答として「不釣り合い」の規模の話を展開してしまっては、論理の飛躍や読み手の納得度の低下など様々な減点要因が発生します。求められているのは、「小学生が経験している範囲の気づきや意見」です。あくまで12年間生きてきた中で、意見できる範囲の話をすれば良いです。
そもそも400文字程度の文章で、国家や地域全体といったレベルの話をまとめあげるのは、不可能です。テーマとして一見難しそうに思えたとしても、それをさらに小難しく解釈する必要はありません。



ほとんどの作文の設問に「あなたが経験したことをもとに書きなさい」という指示がついているのは、小学生の等身大の意見を求めているという出題者のメッセージです。
ポイントその3「まとめ→細かい説明」の流れを意識する
作文試験で最も避けるべきは、「採点官がわかりにくい」と感じる文章です。そのためには、「結論を最初にのべ、その後に細かい説明を行う」という流れを徹底することです。俗にいう、「結論ファースト」というやつです。もう少し専門的な言い方に変えると「抽象と具体」の関係を作り出すということです。以下のような構成を意識しましょう。


このような抽象具体構成を作れるようになると、同じような内容でもかなりわかりやすくなります。



私の作文添削塾では、こういった構成についても私のオーダーメイド模範解答付きで徹底解説しています。
合格までの作文演習のやり方
ここからは、作文試験に備えてどのように演習をしていけば良いかという話をメインに掘り下げていきます。
過去問ベースで学習しよう
作文演習の素材としては、過去問をベースとしましょう。
過去問をベースに演習すべき理由
- 最新のトレンドを反映している
- 通常の作文対策テキストだと難易度ミスマッチが発生する可能性が高い
- 本番にどんな問題が出るかを想定することが重要である
「いきなり過去問は難しそう…」と感じられるかもしれませんが、銀本を軸に演習を進めてください。銀本は、全国の公立中高一貫校の作文問題が掲載されている本で、みくに出版から毎年最新版が発売されています。約130校の作文問題が収録されており、演習するには十分な量です。
銀本での作文演習のやり方
- 志望校の過去問をチェックする
- 似たような問題を出している学校をピックアップする
- 簡単な問題から取り組んでいく
作文問題で、「出典が不明」で演習ができないというケースは非常に少ないです。なぜなら、ほとんどの学校は、出題文を読ませる形式の問題ではないためです。2024年度の銀本でも「出典が不明」である学校は、133校中5校でした。銀本での演習に加え、志望校の過去問を5〜10年程度遡る形が良いでしょう。
添削を必ず受けよう
作文の演習は、「添削」までセットで行い完成されます。書きっぱなし・やりっぱなしはNGです。作文の添削指導は、他の科目と異なり、しっかりとしたサービスを提供できている事業者は少ないのではないかと思います。大手の塾だとしても、多くはアルバイト講師ですので、指導の質は非常に低いです。以下のような添削であれば、合格力に直結する添削指導ではありませんので、指導者の変更を検討した方がよいかもしれません。
合格に直結しない添削指導の例
- 文字の綺麗さ、文法などしか指摘しない
- 疎かにしていいわけではありませんが、もっと点数に影響する要素があります
- 点数しかつけない
- なぜその点数になっているかという根拠の方が重要です
- 模範解答との違いしか指摘できない
- 模範解答はあくまで一例です
私が運営する作文添削塾には毎月10名程度の相談がきます。ほとんどのお客様が添削の質の高さについて褒めてくださいます。中学受験が盛んな首都圏ですら、作文添削の指導の質はおしなべて低いので、地方の受検となると作文添削がまともにできる塾はほぼいないのではないかと思います。私の添削の質が高いのは以下のような理由があります。
合格に直結する添削指導ができる理由
- 講師自身が慶應義塾大学の小論文試験を突破している
- 慶應の小論文は非常に難易度が高いことで有名ですが、その小論文試験の点数が8割以上で合格しており、実戦経験があります
- 塾長がマンツーマンで添削指導している
- 添削指導は私が全て行っており、アドバイスや模範解答を含め全く外注していません
- 中学受験の指導に長年携わっている
- 公立中高一貫校の受検に加え、中学受験の指導を長年行っております。小学生が到達すべてき作文力を具体的なアドバイスベースで指南可能です
私の添削塾では、初回添削を通常料金の50%以上割引(¥1,500)で受けられます。学習相談も無料で可能なので、お気軽にお申込みください。
国語学習との関連は?
最後に国語学習と作文学習の関連について解説します。
ふくしま式は最低限おさえよう!
公立中高一貫校の過去問を見て、「難易度が低いテーマで作文のみ」出題されている場合は、「ふくしま式」で論理的な思考の基本をおさえて、作文対策をしましょう。語彙や文法がおさえられていれば、最低限この対策で問題ありません。国語問題が課される場合は以下の対策を行いましょう。
公立中高一貫校の国語対策
- 確実に点数が取れる分野の対策をする
- 語彙・漢字・文法など、難易度が低く対策をすれば得点力がつけられる分野を軽視せずに対策する
- 選択肢問題をできるようにしてから記述問題の対策に移る
- 難しい記述問題に目が行き、悩む方が多いですが、ノウハウが吸収しやすい選択肢問題から対策を行いましょう。



国語の勉強法に関しては、以下の記事で詳しく書いていますので参考にしてみてください。
難易度の高い学校の特徴
公立中高一貫校で難易度の高い問題の特徴は以下です。
公立中高一貫校で難易度の高い問題の特徴
- 長文の文章読解が含まれる
- 資料問題以上に文章読解は難易度が高く、国語力の養成が必要になります
- 小学生が読みづらいテーマを扱っている
- 言語論や哲学、芸術論など読みにくい題材を課す学校は、作文対策に加えテーマ理解の対策が必要になります。特に東京都の公立中高一貫校の問題は別格の難易度になります。



各学校の対策について無料相談を行っていますので、「どう対策していいかわからない」という方はお気軽にお問い合わせください。
最後に
今回は、「短期間で合格点を取る作文の書き方を徹底解説」というテーマでお送りしました。私の運営する添削塾では、この記事で書いていることに加え、お子様の現状に沿ったアドバイスをお届けしています。