この記事書いた人
出身大学:慶應義塾大学
略歴:大学時代から中学受験の指導に携わる。
アルバイトでありながら、
オリジナル教材の作成や有名校の過去問研究に精を出し、
校舎の国語授業の満足度ランキング一位を獲得する。
その後、
本業の傍ら中学受験についての
情報発信やプライベートレッスンを事業として展開。
日々、精進中。※名前はビジネスネームです。
当サイトではアフィリエイトプログラムを
利用して商品を紹介しています
中学受験生に最適な国語辞典を一挙紹介
みなさん、こんにちは。中学受験プロ講師の神泉忍です。
今回は、「中学受験生に最適な国語辞書」を紹介していきたいと思います。
- 中学受験勉強の中で辞書を使いたいけど、どれを買って良いかわからない
- 小学生の低学年から使えて、受験まで使える辞書を知りたい
こういったお悩みを持つ方に向けて、「中学受験生」にピッタリの国語辞書を紹介していきます。
小学生用の辞書を買える限りは買って比較した上で厳選しているので、買って損はさせません。
紙と電子、どっちがいい?
おすすめの辞書を早速紹介していきたいところですが、紙の辞書の購入と同時に「電子辞書ってどうなんだろう?」と考えている方も多いかと思います。最近では、スマホやタブレットも普及し、「紙の辞書」を使わずとも受験勉強ができる環境にあります。
ただ、「学校の先生からは”紙の辞書”を薦められました」「タブレットで言葉を引かせているのですが、紙の辞書の方が良いのでしょうか」といった質問もよく頂きます。
今回はまず、「紙の辞書」「電子辞書」のメリット・デメリットを整理して、受験勉強に最適な使い方を紹介していきます。
紙辞書・電子辞書のメリット・デメリット
紙辞書のメリット
- 何度も辞書を引くことで、五十音順を自然に覚えられる
- 色や材質などの感覚を楽しめる
- 調べたい語以外の言葉も自然に目に入る
紙辞書のデメリット
- 置き場所をとる
- 重くて持ち運びに不便
- 汚れや用途によって買い換えが必要になる
電子辞書のメリット
- 持ち運びが楽
- 音声や映像などマルチメディア端末として機能する
- 破損しない限り長期的に使用できる
電子辞書のデメリット
- 五十音順が身についていない段階から使うと語順の感覚が養われない
- 自然と言葉に触れることが難しい
- 紙よりも記憶定着率が低い
小学生におすすめなのは紙辞書
ここまでメリット・デメリットを整理してきました。長年、中学受験に携わっている私から見て、小学生には「紙辞書」をおすすめします。
小学生は紙辞書を使うべき理由
- 語彙をもっと増やすべき段階にあるため、物理的に触れて学習機会を増やせる辞書の方がいい
- いきなり電子辞書を使うと五十音順の感覚が身につかない
- デジタル機器は集中力を途切れさせる要因になる
- 紙の方が記憶定着率が高い
国語辞典と漢字辞典
中学受験をお考えのご家庭なら国語辞典は必ず買いましょう。引こうが引くまいが必須です。三省堂・岩波書店など大人向けでおっくうでなければそれでも結構ですが、学研かベネッセの小学国語辞典がおすすめです。— 林享憲 (@tsukukomashiki) October 12, 2020
紙辞書をおすすめする最大の理由は小学生は、「言語的発達の途中にある」ということです。
例えば、紙辞書を引かせると、五十音順が把握できていない子がいたり、知っている語があまりに乏しい子がいます。その段階では、利便性よりも、言葉への接点を増やすべき段階です。
辞書が目の前にあり、1日10回引くという習慣がつけば、自然と五十音順が身につき、色々な言葉を目にするようになります。電子辞書は、あくまで、辞書を使える状態の大人が、利便性の優先して使うものです。
通塾の持ち運び用として、「電子辞書」を紙辞書と別に購入して使うのはアリかなと思います!
電子辞書では無く、スマホやタブレットで言葉を検索している子もいますが、電子辞書以上におすすめしません。
スマホやタブレットを辞書代わりに使うのをおすすめしない理由
- SNSやスマホゲームをやって無駄な時間をすごすきっかけをつくってしまう
- 辞書として使うといいつつ、勉強部屋1人でYouTube等を見たりする子が多い
- 広告が出てくるため、集中力が疎外される
以上のような理由で、スマホやタブレットを勉強で使うことはおすすめしません。「勉強で調べ物に使うから」というのは建前で、本音は、「ゲームや動画を観たい」という子が大半です。勉強部屋にスマホやタブレットを持ち込んで1人で無駄な時間を過ごしているというケースは後を絶ちません。
紙辞書であれば、無用な誘惑を受けず、勉強に集中することができます。
中学受験の勉強に向いている国語辞書
ここからは、中学受験勉強に使うにあたって必要な辞書の特徴を3つ整理していきます。
①最新の言葉が収録されていること
まず、最新の言葉が収録されていることです。意外に思われるかもしれませんが、近年の中学受験は、非常に進化のスピードが速く世の中のトレンドをふんだんに取り入れたものになっています。改訂が頻繁になされて、時事用語も含まれるような辞書が望ましいです。
②イラストが豊富であること
次に、イラストが豊富であることです。いくら中学受験といっても大人が使うような難しい辞書は不要です。それよりもむしろ、小学生の辞書の中にある知識や情報を丁寧に吸収していくことが大切です。小学生向けの国語辞書は、イラストが豊富に含まれ、関連知識が紹介されていたりします。調べる言葉以外にも副次的に色々な知識を吸収できる辞書を選びましょう。
③受験対策の情報が盛り込まれていること
最後に受験対策の情報が盛り込まれていることです。具体的には以下の情報が含まれていると良いでしょう。
中学受験対策情報として国語辞書に記載されていると嬉しい内容
- 同音異義/同訓異字の紹介
- 対義語/類義語の紹介
- 小学校指導要領漢字の明示
中学受験の国語で頻出の知識が辞書としても網羅されている理想です。
- 同音異義(ex.対象/対称/対照)
- 同訓異字(ex.計る/図る/測る/量る)
- 対義語(ex.義務⇔権利/安全⇔危険/多様⇔一様)
- 類義語(ex.意外&案外/永遠&永久)
こういった知識は受験で頻出です。また、中学受験の場合、難関校であっても、小学校指導要領の漢字から漢字の問題が出題されます。おおよそ15点ほど配点があるのが通常で、こういった知識問題を安定して得点できるかで合否が分かれてきます。国語辞書の中にも受験用の知識対策が盛り込まれていると非常に使い勝手が良いでしょう。
【結論】おすすめの国語辞書はこれ!
「例解学習国語辞典」
- 小学生用国語辞典では最多の48000語を収録しており、中学受験への対応も意識している
- フルカラーで使いやすい
- 小学生が覚えるべき基本の7700語を赤字で表記している
- カラーイラスト&表が合計1300点以上掲載されている
- 小学校指導要領の漢字が一目してわかるように記載されている
- ワイド版が併売されており、小さい文字が苦手な小学生でも難なく取り組める
【7階辞書】小学辞典改訂第2弾!『例解学習国語、漢字辞典』(小学館)2020年4月から始まる新学習指導要領に基づき、小学館の辞書が生まれ変わりました。小学低学年から、中学受験まで使えます。限定発売「名探偵コナンバック付きセット」も販売中です。ぜひ店頭でご覧ください。sy pic.twitter.com/GSEE3Q6BNA
— 紀伊國屋書店 新宿本店 (@KinoShinjuku) November 29, 2019
【おすすめポイント①】小学生用に最適化されている
「<小学館>例解学習国語辞典」は小学生が使いやすいようにきめ細かい工夫がされています。
辞書はフルカラーで非常に読みやすくデザインされています。
ただ、色付けにしているだけではなく、
・小学生が知るべき基本語7700語
・学年別配当漢字
といった情報を体系的に整理している点も非常にグッドです。
イラストが豊富に掲載されているところも非常に魅力的です。
小学生の中には「イラストを見よう」として辞書をパラパラめくる子もいます。まず、軽く読んでもらうという意味ではイラストも非常に重要な役割を果たします。
【おすすめポイント②】中学受験を意識した仕様になっている
「<小学館>例解学習国語辞典」は中学受験での使用も強く意識されています。
こちらは公式サイトからの引用ですが、「48800語」収録されており、小学生向けの国語辞書では、最多の収録語数をほこっています。一般的な小学生の国語辞書は46000語ほど収録されています。2400語ほど追加され、中学受験の文章にも対応できるように工夫されています。
ちなみに中学生用の辞書は60000語ほど収録されています。
同音異義/同訓異字といった受験で頻出の知識事項も整理されており、受験知識の整理にも役立ちます。
また、「最新の時事を絡めた語彙」の収録にも力をいれています。
最新の時事に絡めて収録されている語彙の例
- リストアシスト
- コンプリート
- パンデミック
- フォロワー
- 再生可能エネルギー
- ICT
- JPEG
- 持続可能な開発目標
中学受験の社会でも時事問題も出題されるので、こういった最新語彙は覚えておくと点数が確実にアップしますよ!
近年では、「新傾向問題」の出題もさかんになっています。最新の時事問題や日常的な出来事に受験の知識を絡めたような問題です。そういった問題に対応するためには、日頃から辞書や図鑑で「有機的な知識のつながり」を脳内につくっておく必要があります。
今回紹介した「<小学館>例解学習国語辞典」は、関連知識を豊富に掲載しているので、「新傾向問題の対策辞書」としても機能します。
新傾向問題への対処法を解説した記事はこちらになります。
【おすすめポイント③】学習用途に応じて拡張しやすい
「<小学館>例解学習国語辞典」は国語時点の他に漢字辞典もシリーズで発売されています。また、通常のサイズとワイド版の2パターンが発売されており、好みや用途、お子様の段階によって最適な辞書を選べます。
「<小学館>例解学習国語辞典」のシリーズ
【7階辞書】小学辞典改訂第2弾!『例解学習国語、漢字辞典』(小学館)2020年4月から始まる新学習指導要領に基づき、小学館の辞書が生まれ変わりました。小学低学年から、中学受験まで使えます。限定発売「名探偵コナンバック付きセット」も販売中です。ぜひ店頭でご覧ください。sy pic.twitter.com/GSEE3Q6BNA
— 紀伊國屋書店 新宿本店 (@KinoShinjuku) November 29, 2019
国語辞書と参考書の使い分け
国語辞書は調べ物で、語彙参考書は知識インプット用
最後に、国語辞書と「語彙の参考書」の使い分け方について紹介しておきます。国語辞典は、調べ物に使いましょう。語彙の参考書は、受験の知識のインプット用に使いましょう。国語辞書で調べるたびに無理に覚えようとしなくても大丈夫です。
こちらの記事では、中学受験国語でおすすめの最強語彙テキストを紹介しています。
辞書は、1日10回引こう
国語辞書は1日10回引くことを目安にしましょう。「10回も引くの!?」と驚く方もいらっしゃると思いますが、中学受験の国語の文章の難易度を考えると、文章中に最低でも10個はわからない言葉が出てくるはずです。10年近く国語の指導をしておりますが、基本的に10個以上分からない単語があるのが普通です。
1日10回辞書を引くことを小四から小六まで続けた場合
- 【1週間】1日10回×7日=70回
- 【1ヶ月間】1日10回×30日=300回
- 【1年間】300回×12ヶ月=3600回
- 【3年間間】3600回×3年=10800回
こちらのシミュレーションのように、1日10回辞書を引けば、かなりの語彙に接することになります。私も国語を指導している経験から、「1日10回辞書を引く」という習慣を3ヶ月ほど続けるだけで、かなり語彙力がついていきます。
だまされたと思って試して見てください。
最後に
今回は、「中学受験生に最適な国語辞書」という内容を解説しました。ぜひ、お試しください。