MENU

【中学受験国語過去問分析】渋谷教育学園幕張中学校の国語過去問を徹底分析!おすすめ参考書も掲載。

目次

学習アドバイス​

月並みの”頑張る”では合格がいただけない学校

渋谷幕張は出題の問題からは、
「貪欲な向学心」がある生徒が欲しい
というメッセージを感じ取れる。

「点数が取るために重要な箇所のみ勉強する」
ような受験生をほしがっていない。

受験があろうとなかとうと勉強をし、
勉強の過程では自ら考え、調べる
という姿勢がある受験生を求めている。

また海外大学への進学や英語教育への注力ぶりを見ると
「世界基準」での教育を志向している。

往年の伝統校のように
「東大〇人、京大〇人」と日本国内での
トップ校というポジションには興味がないのであろう。
このあたりは新興の難関校である渋幕の野心性が垣間見える。

評論文は高校現代文入門レベルまで高める

渋幕の国語の論説文は非常に難易度が高い。

通常の中学受験国語の対策では、
渋幕評論文への対策は万全とはいえない。

レベルは高校現代文入門程度の難易度である。

したがって、
中学受験国語の勉強は前倒して修了し、
以降は高校現代文入門レベルの演習を積むことが効果的だ。

評論文の演習を積めば小説の読解力向上にも大きく役立つ。

評論文の中で
「アイデンティティ」

「ジレンマ」
「アンビバレント」
といった

小説のテーマの本質
となるような語彙に出会うことができる。

評論文対策 入門編

評論文対策おすすめ参考書は
「合格する国語の授業 説明文・論説文入門編」である。
ここに書いてある内容は基本中の基本でありながら、
文章が応用的になっても普遍的に重要な原則ばかりである。
まず、このテキストを完璧に仕上げよう。

評論用語対策①(初学者向け)
「ことばはちからだ」
評論文用語を優しくかみ砕いて解説してくれている

初学者向けの参考書である。

特に第一章にリストアップされている評論用語は、
使いこなせるレベルまで習得してほしい。

評論文対策 完成編

評論用語対策②
「評論キーワード/頻出270語&テーマ理解&読解演習54題」

ことばはちからだが習得できたならば、
この参考書に書いてある

用語、知識の意味がわかるまで読み込んでいって欲しい。
使いこなせるレベルまでにはする必要はないが、
話題として理解できるレベルまでには習得していこう。

小説文は日ごろから合理的に読む癖をつける

渋幕の特徴的な出題として「小説」は有名だ。
中世期~近代期を舞台にした大時代的な内容が多く、
大人でも読みづらいと感じる内容である。

ここで
「昔の小説をたくさん読もう」
と安直に対策を立てるのは禁物だ。

もちろん、知識として昔の文化を知ったり、経験を高める手段として昔の日本が舞台になっている小説や映画を楽しむことはマイナスではない。
「多様な文学作品に触れて欲しい」と学校説明会で渋幕側が発言もしている。

しかし、小説の本質は「無味乾燥な文章から人物の心情を読み取り考える」ことである。

いくら昔の文化を知ろうとも、
時代劇を見て昔の日本について詳しくなったとしても、
本文を正確に読めていなければ読解問題は解けない。
また、知識として知った昔の日本文化が当日の小説に出題される確率は非常に低い。

上記の理屈は現代を舞台にした小説問題で考えれば簡単である。
現代の子どもが主人公だとしても読解力の差によって点数の高低が決まる。

よってストーリーで語られる内容を身近に感じるかどうかは本質的な問題ではないのである。

小説の読解に関しては以下を意識して勉強をしてほしい。
・わからない言葉が出てきたら必ず調べる
・ストーリーが映像的にイメージできるようにする
・語彙&ストーリーがわかった時点で読解問題を解く
・選択肢問題では正誤の理由を徹底的に言語化する
・記述問題では客観的な表現を自分で導けるように訓練する
上記が基本的に大切にしてほしいことだ。
これらを守った上で、昔の日本文化等を学ぶことで学習効果が高まるだろう。

小説対策おすすめ参考書

小説を論理的に読解するために
おすすめの参考書は
合格する国語の授業 物語文入門編 (中学受験 )
である。

小説を論理的かつ構造的に読むトレーニングを積むことができる。

また小説を得意にするためには、
「心情語」を自由自在に使いこなせることも必須だ。
私がおすすめする参考書は
「13歳からの「気もちを伝える言葉」事典語彙力&表現力を伸ばす心情語600」
である。
中学受験界で有名な矢野耕平先生の著書である。

「気もちを伝える言葉」事典 語彙力&表現力を伸ばす心情語600

文学史対策

渋幕の国語では、毎年文学史の設問が出題される。
配点も非常に低いので、過度な対策はコスパが悪い。
浅く広く「有名作品と作者名」を抑えておく程度でよい。

おすすめの参考書は
「1話5分! 小学生のうちに読んでおきたい名作101」である。
小学生にも分かる解説


ポップなイラスト
で文学史の知識を鍛えられる。

渋幕の傾向を1つ付け加えるならば、
「芥川龍之介」

の作品は高頻度で出題されているので、
芥川の作品を重点的に読むとより良い対策になるだろう。

記述問題は開成/桜陰レベルまで高める

記述以外の問題は、記号、知識、抜出問題が渋幕では出題される。
これらの問題には正答が困難な問題が一部含まれている。
そして、記述以外の問題で、簡単~標準的な難易度の問題は多くの受験生が正答すると考えられる。

すると残るのは記述問題であり、毎年35点前後の配点がある。
合格平均点が60点前後であることを考慮すると、
この記述問題はおおよそ合格平均点の半分の配点を支配していることになる。

・記述以外の問題では高難易度の問題以外、多くの受験生が正答する
・記述問題に30点以上の配点が与えられている。

この二点から、記述問題をいかに得点するかが勝負のカギとなる。

くれぐれも、
文学史問題といった渋幕特有のトリッキーな出題に踊らされないように注意してほしい。
文学史の知識をいくら詰め込もうとせいぜい配点は3~5点である。

国語の問題を安定して高得点にするためには、
記述問題を得意にすることが最も確実な方法である。

しかし、渋幕の記述は一筋縄ではいかない。
高度な言語能力を要求される問題が毎年出題されている。

言い方を変えれば、
「記述をハナから捨てていた受験生は絶対に得点ができないように作ってくれている」のである。
記述の問題を早期から意識的に対策していた受験生にとっては想定内の難易度であり、
必ず部分点を確保できるようになっている。

記述対策でおすすめの参考書

記述問題では「書き方のパターン」を理解し、
設問に応じて適切な答案作成を行えるように訓練していく必要がある。

記述の基本と応用をセットで学べる以下の参考書がおすすめだ。

「中学受験国語 記述問題の徹底攻略」
「中学受験国語 記述問題の徹底攻略 基礎演習編」
「中学受験国語 記述問題の徹底攻略 発展編」

渋幕国語の得点を安定させるカギは記述にある。
開成、桜陰レベルの記述問題が3~4問出題されると考えておいてほしい。

記述問題は早期からプロの添削を受けて技術を磨いていけば
必ず一定程度の解答を作れるようになる。

記述問題こそ渋幕国語の安定した得点源となる。

渋幕の小説対策におすすめの他校の過去問

フェリス女学院
攻玉社
古い時代が舞台の小説を出す学校なので小説問題対策として使用できる。

その他おすすめ参考書​

勉強法

「塾でも教えてくれない 中学受験・国語のツボ」

漢字学習

「サピックスメソッド漢字の要ステップ1マスターブック」

サピックスメソッド漢字の要ステップ1マスターブック

語彙

「中学受験国語の必須語彙2800」

難易度がABCでランク分けされているので、
「中堅校」~「難関校」まで対応できます。
2800語も収録されているので、辞書的にも使えます👍
アウトプット用問題集も発売されているので、
こちらで記憶定着も目指していきましょう🔥

中学受験国語の必須語彙ドリル A(基礎レベル)
created by Rinker

中学受験国語の必須語彙ドリル B・C(標準・ハイレベル)
created by Rinker

↓語彙のテキストについてより詳しく知りたい方はこちら↓

受験戦略

中学受験 注目校の素顔 渋谷教育学園幕張中学校・高等学校
中学受験 大逆転の志望校選び 学校選びと過去問対策の必勝法55
旧名門校 VS. 新名門校 今、本当に行くべき学校と受験の新常識がわかる!
令和の中学受験 保護者のための参考書
超進学校トップ10名物対決

出題文一覧​

令和03年度(2021年度)第一回試験

大問1論説「具象以前(湯川秀樹)」
大問2小説「極楽(菊池寛)」

令和03年度(2021年度)第二回試験

大問1論説「人生は苦である、でも死んではいけない(岸見一郎)」
大問2小説「薔薇盗人(上林暁)」

令和02年度(2020年度)第一回試験

大問1論説「山本七平-空気の研究(大澤真幸)」
大問2小説「豊穣の海(三島由紀夫)」

令和02年度(2020年度)第二回試験

大問1論説「科学と非科学 その正体を探る(中屋敷均)」
大問2小説「ネッシーはいることにする(長薗安浩)」

令和01年度(2019年度)第一回試験

大問1論説「天災と国防(寺田寅彦)」
大問2小説「おらおらでひとりいぐも(若竹千佐子)」

令和01年度(2019年度)第二回試験

大問1論説「原っぱと遊園地(青木敦)」
大問2小説「Masato(岩城けい)」

平成30年度(2018年度)第一回試験

大問1論説「養老孟司の幸福論(養老孟司)」
大問2小説「死後(芥川龍之介)」

平成30年度(2018年度)第二回試験

大問1論説「街場の共同体論(内田樹)」
大問2小説「犀鳥(遠藤周作)」

出題された知識問題一覧​

令和03年度(2021年度)第一回試験

漢字書き:画期的 収める
漢字読み:費やす(ツイヤス)

令和03年度(2021年度)第二回試験

漢字書き:真に受ける 進展 自己 内在
漢字読み:殊に(コトニ) 強ち(アナガチ) 提げる(サゲル)

令和02年度(2020年度)第一回試験

漢字書き:採用 有無を言わせぬ
漢字読み:戒める(イマシメル) 権化(ゴンゲ) 興じて(キョウジテ) 火照る(ホテル)

令和02年度(2020年度)第二回試験

漢字書き:考案 安易 相場 日除け 劇的
漢字読み:秘匿(ヒトク)

令和01年度(2019年度)第一回試験

書き:宣伝 月謝 冷蔵庫
読み:稀有(ケウ) 怠る(オコタル) 独楽(ドクラク) 

令和01年度(2019年度)第二回試験

書き:分化 配置 検証 運営 窓際 一目置く
読み:縁(フチ)

平成30年度(2018年度)第一回試験

書き:操縦 阻む 寸断
読み:床(トコ) 卑しい(イヤシイ) 露(ツユ)

平成30年度(2018年度)第二回試験

書き:希釈 縮減 再稼働 面倒 湖水
読み:度々(タビタビ)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次