この記事書いた人「神泉忍」について
- 慶應義塾大学総合政策学部卒
- 2013年から10年以上中学受験指導に携わる
- 2017年からは、オンライン指導とオフライン指導を並行して実施する私塾を開設
- 国語と作文指導が専門
- Xで受験関連の情報を毎日発信中
- 中高一貫校専門作文添削塾を運営中
- 事業会社にてWEBマーケティング領域業務にも従事
- 当サイトではアフィリエイトプログラムを使用しています
「ふくしま式国語問題集」についてをプロ講師が本音で語ります

この記事でわかること
- 「ふくしま式国語問題集」のメリット&デメリット
- パターン別「ふくしま式国語問題集」まとめ
みなさん、こんにちは!中学受験プロ講師の神泉忍です。今回は、「ふくしま式のデメリットは?最適な使い方やメリットをプロ講師が徹底解説」というテーマで記事をお届けしたいと思います。
- 「ふくしま式国語問題集」に取り組もうか迷っている
- 「ふくしま式国語問題集」を買ったけど結局やっていない
- 知り合いから「あまり効果がない」と聞いたことがある
という状態の方に向けて、「メリット&デメリット」や「結局効果があるテキストなのか?」を解説していきたいと思います。
「ふくしま式の国語問題集」を授業で実際に使っている講師が解説
私は、2013年以降、受験の業界で国語を中心に教えきました。「ふくしま式の国語問題集」を実際に授業で使っていた経験に加え、その他のあらゆる国語問題集を読んで、自ら取り組んだり、授業で使った経験があります。
さらに、
- 小学生の勉強
- 中学受験の勉強
- 高校受験の勉強
- 大学受験の勉強
- 社会人の勉強
あらゆる層に国語の授業をしています。ふくしま式以外にも幅広いアプローチをふまえた上で、「ふくしま式国語問題集」について紹介していきます。

忖度なく本音で紹介していきますね!
ふくしま式のメリット


まずは、「ふくしま式国語問題集」のメリットを3つ整理していきたいと思います。
ふくしま式のメリットまとめ
- ロジカルシンキングの核を反復練習できる
- 小学生~社会人まで使える
- 目的別にテキストがラインナップされている
メリット①論理思考の核を反復練習できる
「ふくしま式国語問題集」の最大のメリットは、「論理的思考のコア」を反復練習できるところにあります。意外に思われるかもしれませんが、ふくしま式の問題集が登場する以前から、「言い換え」「対比」「因果関係」を軸にしたロジカルシンキングのメソッドは、多くの参考書で書かれてきました。
- 出口汪先生
- 林修先生
といった著名な国語講師のテキストや授業でも同様の考え方の解説はありますし、英語の読解でも同様の考え方はいたるところで解説されています。
「ふくしま式国語問題集」の革新性は、文章読解の中で使われていたロジカルシンキングの考え方を、反復練習できる形に抽出して体系化した点にあります。



このあたりの話は、福嶋隆史先生のYouTubeでも紹介されていました。
メリット②小学生~社会人まで使える
「ふくしま式国語問題集」の2つ目のメリットは、「小学生〜社会人」まで幅広く使えるという点です。論理思考の核を抽出しているので、年齢に関係なく、演習が可能です。
2021年にTBSで放送された「ドラゴン桜2」の中でも大学受験の教材として「ふくしま式国語問題集」が取りあげられていました。



論理思考の核を学ぶというコンセプトだからこそ、普遍的な教材と言えます。
メリット③目的別にラインナップされている
「ふくしま式国語問題集」の3つ目のメリットは、「ラインナップが豊富」という点です。
- 低学年用
- 高学年用
- 社会人用
- 作文用
- 選択肢問題用
など、国語にまつわる様々なスキルを一貫した方法論で学ぶことができます。シンプルかつ強力な方法論で幅広い目的を達成できる国語参考書は、そう多くありません。
お子様や自分の状況にあわせて最適な演習ができるのは、「ふくしま式国語問題集」の大きなメリットです。
ふくしま式のデメリット


次に、「ふくしま式国語問題集」のデメリットを3つ紹介していきたいと思います。
ふくしま式のデメリットまとめ
- 継続的に取り組まないといけない
- 実践的な読解問題へのつなぎこみが難しい
- 最適なテキスト選びが難しい
デメリット①継続的に取り組まないといけない
「ふくしま式国語問題集」のデメリットの1つ目は、「継続的取り組み」が必要ということです。ふくしま式のテキストは、ロジカルシンキングのコアを反復練習できるところにあります。
ただ、コアが凝縮されているといっても、一冊の演習量はそれなりの量です。多くの方の学習相談に載っていましたが、「買ったけど、途中でやめてしまった」という人も少なくないです。



シンプルな演習体系だからこそ、「できた」と感じてしまうのかもしれません。
デメリット②実践演習へのつなぎこみが必要
「ふくしま式国語問題集」のデメリットの2つ目は、「実践演習へのつなぎこみ」が必要ということです。小学生から社会人まで幅広く取り組むことができる一方で、実践的な読解問題へのつなぎこみが完全にできるわけではありません。
もちろん、読解演習が付属しているテキストもありますが、基本的な演習だけでもボリュームがありますし、その方法論を完全に理解した上で、実践的な読解演習につなぎこむのは、独学だと難易度が高いかもしれません。



読解問題の演習を行うにあたり、ふくしま式のテキストを使っていましたが、ほとんどの生徒さんは、「講師の解説」が必要でした。
デメリット③どのテキストから取り組んで良いかわからない
「ふくしま式国語問題集」のデメリットの3つ目は、「どのテキストから取り組むべきかわかりづらい」ということです。目的別にラインナップされているメリットの裏返しですが、「どのテキストが最適か」「目的から逆算してどこに取り組むべきか」という判断を、初見で間違いなく行うのは、難しいかもしれません。



この記事では、目的別に最適な「ふくしま式のテキスト」を紹介しています。
結局、「ふくしま式」は効果的なの?


ここまで「ふくしま式国語問題集」のメリットとデメリットを比較しました。
- 結局、ふくしま式は効果的なの?
- ふくしま式は取り組むべきなの?
と疑問に思われた方も多いかと思います。
結論、「効果的」と言えます。その理由は三つあります。
「ふくしま式」が効果的な理由①
「ふくしま式」が効果的である理由の1つ目は、「ロジカルシンキング」を基礎練化して、体系化しているということです。メリットのパートでも説明しましたが、ロジカルシンキングを汎用的にトレーニングできる教材は多くありません。汎用的がゆえに、実践演習へのつなぎこみが難しいというデメリットを差し引いても、必要な演習と言えます。
「ふくしま式」が効果的な理由②
「ふくしま式」が効果的である理由の2つ目は、「あらゆる科目の基礎力を養える」ということです。論理的思考が日常生活のあらゆる場面で必要なことは言うまでもありません。受験という狭い範囲でみても、「ふくしま式」のトレーニングは、あらゆる科目に、その効果を発揮します。
- 国語
- 英語
- 作文
これらの科目は、文系の主要科目ですが、共通して「ロジカルシンキング」を基盤として点数を取ることができます。
「ふくしま式」が効果的な理由③
「ふくしま式」が効果的である理由の3つ目は、「なぜそうなるのか」という背景を学ぶことができるということです。
国語に限らず、勉強では、「なぜそのような結論に至るのか」という背景理解が非常に重要になります。背景をしっかりと理解していることにより、基礎的な問題にも応用的な問題にも対応できるようになっていきます。
「ふくしま式」のトレーニングは、背景的な理解を非常に重視した設計になっており、学習の本質を習得できると言えます。
どのように取り組むのが最適なの?


では、「ふくしま式」に取り組む場合、どのようなことに気を付ければ、良いのでしょうか。3つの観点から解説します。
全体像を意識しながら取り組む
「ふくしま式国語問題集」の学習ポイント1つ目は、「全体像を意識しながら取り組む」ということです。「ふくしま式」の問題集では、「言い換え」「対比」「因果関係」について、各論点の豊富な練習問題が設けられています。
それぞれの分野の演習問題に取り組むうちに、前の分野の学習を忘れてしまうということが発生しやすいです。ですので、今の学習分野について学びつつも、前の学習分野の復習をしていきましょう。
自分で説明できるかを確かめる
「ふくしま式国語問題集」の学習ポイント2つ目は、「自分で説明できるかを確かめながら取り組む」ということです。「ふくしま式国語問題集」はアウトプットが中心となり、”作業的な演習”になってしまうことが多いです。いざ、その演習の意味や背景を問われると、「答えられない」という状態にならないように注意しましょう。
「言い換えの意味とは?」「言い換えを表す接続語の例は?」といった問いかけを定期的に投げかけ、どこまで自分で説明できるかを確かめましょう。
説明に詰まったポイントや説明があいまいになった箇所が出てきたらそこを重点的に復習しましょう。
実際の文章問題にあてはめる
「ふくしま式国語問題集」の学習ポイント3つ目は、「実際の文章問題に当てはめる」ということです。「ふくしま式」の中に掲載されているトレーニングは、非常に基礎的な内容がゆえに、実践問題へのつなぎこみを行わないと、「消化不良」に陥ってしまいます。
例えるならば、ドリブルの練習だけをしていて、サッカーの試合に出たことがないといった状態です。国語の文章問題に挑み、「ふくしま式」の考え方が応用できているかを確かめましょう。
どの「ふくしま式問題集」を買うのがおすすめ?
ここまで「ふくしま式問題集」の
- メリット&デメリット
- 「ふくしま式国語問題集」は効果的なのか
- 「ふくしま式国語問題集」の効果を最大限発揮するためのコツ
について解説しました。ここからは、目的別に購入すべき「ふくしま式国語問題集」を紹介していきたいと思います。



どの「ふくしま式テキスト」を買ったらいいか迷うという相談をたまにいただきますので、こちらにまとめます。
小学校低学年向け
小学校低学年におすすめの「ふくしま式国語問題集」まとめ
ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集/小学生版ベーシック
- Amazonレビューの声
- 低学年にちょうど良さそうです。国語が苦手な3年生くらいでちょうど良いと思いました。
- 解答とともに親と一緒に勉強ができるご家庭であれば、とてもよい一冊だと思います。



ふくしま式のテキストでも最も取り組みやすい一冊です。
小学校高学年向け
小学校高学年におすすめの「ふくしま式国語問題集」まとめ
ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集/小学生版
- Amazonレビューの声
- 論理的な思考が身に付き、自分で言葉を組み立てることができるようになります。
- 塾教材とは違い長文を読みながら練習しないというところが特徴です。しつこくそればかりやるわけですから身につくのだと思います。



ふくしま式で最も売れているテキストです。一般的な小学生向けに書かれています。
中学受験生向け
中学受験生向けの「ふくしま式国語問題集」まとめ
ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集〔小学生版〕(2)
- 通常の小学生版の後にこちらを取り組むとより高度な演習が可能です
ふくしま式「国語の読解問題」に強くなる問題集〔小学生版〕
- タイトルからわかりにくいですが、選択肢問題に対応するためのメソッド本です
ふくしま式200字メソッド「書く力」が身につく問題集[小学生版]
- 記述や作文問題に挑む場合はこちら
ふくしま式で最難関突破! 男女御三家・難関校 中学入試国語を読み解く
- 実際の中学入試問題を扱ってふくしま式が演習できる唯一の一冊
- 最難関レベルの学校の問題ですが、解説が手厚くされており、中堅校志望でも演習教材として使える一冊です



一冊だけ絞り込むなら、『ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集/小学生版』がおすすめです。
高校受験生向け
高校受験生向けの「ふくしま式国語問題集」まとめ
国語読解[完全攻略]22の鉄則 (高校受験[必携]ハンドブック)
- Amazonレビューの声
- 何周も読んでいます。
- 結局、『国語はどうしたら上がるのか』という問いへの回答!



高校受験と書いてありますが、大学受験にも問題なく使用できます!
社会人&親御さん向け
社会人&親御さん向け向けの「ふくしま式国語問題集」まとめ
「ビジネスマンの国語力」が身につく本
- Amazonレビューの声
- 繰り返し丁寧に読むことで、読解力が自然に身につけられると思います。
国語って、子どもにどう教えたらいいの? 音読から読解問題、作文・読書感想文まで、効果抜群のアドバイス集
- Amazonレビューの声
- 小学生以上の子どもを持つ親御さんへの日本語と受験のための国語の教え方の道標
- 家庭学習の際の悩みを解決する「とっかかり」になる「声掛け」を実践してみようという内容の本
まとめ


「ふくしま式国語問題集」は、論理的思考を鍛える効果的な教材で、小学生から社会人まで幅広く活用できます。
メリット
- ①ロジカルシンキングの反復練習ができる
- ②年齢を問わず使える
- ③目的別にラインナップが豊富な点です
デメリット
- ①継続的な学習が必要
- ②実践的な読解問題への応用が難しい
- ③最適なテキスト選びが難しい
効果を最大化するには、全体像を意識し、自分で説明し、実際の文章問題に応用することが重要です。