この記事書いた人
出身大学:慶應義塾大学
略歴:大学時代から中学受験の指導に携わる。
アルバイトでありながら、
オリジナル教材の作成や有名校の過去問研究に精を出し、
校舎の国語授業の満足度ランキング一位を獲得する。
その後、
本業の傍ら中学受験についての
情報発信やプライベートレッスンを事業として展開。
日々、精進中。※名前はビジネスネームです。
当サイトではアフィリエイトプログラムを
利用して商品を紹介しています
中学受験撤退を考えた時に読んでください
みなさん、こんにちは!
中学受験国語プロ講師の
神泉忍です。
今回は少々重いテーマになります。
「中学受験の撤退」
についてお話していきたいと思います。
私は、
2013年から10年以上
中学受験の指導に携わっています。
千人以上の受験生と向き合ってきて
数多くの
「受験撤退」
の相談にのってきました。
その際に私が保護者様やお子様に
お伝えしたきた
「撤退」に関しての
”判断ライン”
”受験続行の場合の具体的アクションプラン”
”受験撤退の場合の具体的アクションプラン”
”マインドセット”
をどこよりも
詳しく
かつ
具体的に
お伝えしていきたいと思います。
私自身が
中学受験の講師をしているので
すべての受験生に
受験を経て笑顔になってほしい思いがあります。
ただ同時に
必ず”受験”を貫徹する必要性もないとも考えております。
今までの受験指導の経験すべてを
この記事に詰め込みましたので
ぜひ最後までお読みください。
少々長いですが、
読んでいる皆様に
有益な情報になると
自負しております。
中学受験撤退の難しさ
具体的なお話の前に
中学受験の
「撤退」
が
難しく重い問題になる
背景を一度整理していきたいと思います。
1膨大なサンクコスト
中学受験の撤退が
難しい問題になる
第一の理由が
「膨大なサンクコスト」にあります。
サンクコストというのは、
「投じたお金・時間」
のことです。
言うまでもなく、
中学受験には多額のお金がかかります。
平均的には300万程度
多い場合だと500万円の受験費用を
投じることになります。
時間も同様ですね。
通塾にかかる時間
家出の学習時間
その他の管理時間
が各家庭にのしかかります。
受験学年の御家庭では
「中学受験」を中心に
家族の行動計画が決まるといっても過言ではありません。
2周囲の目
次に
中学受験撤退の際には
「周囲からの目」
という心理的な負担もあります。
小学校のクラス
親戚
受験塾
あらゆるコミュニティで
「中学受験をする家庭」
という見方をされているので、
「撤退をした」
という行動が
(周囲がそれほど気にしていなかったとしても)
当事者には心理的な負担になります。
3進路戦略の見直し
最後に「進路戦略の見直し」を迫られるという点です。
中学受験
【議論の余地なし】撤退すべきケース
ここからは
「中学受験の撤退ライン」
について具体的に
お伝えしていきたいと思います。
「議論の余地なく」
撤退すべきケースは
3つのです。
ケース①心身に異常をきたしている
まず
「心身に異常が発生している」
というケースです。
具体的には
”顔の痙攣”
”円形脱毛症”
”拒食症”
”不眠症”
”鬱状態”
といった状態に陥っている場合は
受験を撤退すべきだと考えます。
「やり方が悪い」
「ポテンシャル以上の勉強量」
原因は種々様々ですが、
「病的な状態」は
受験そのものを見直した方が良いです。
仮に中学受験に受かったとしても、
その後の中学、高校の勉強量
についていけない可能性が高いです。
ケース②最初から現在までずっと親の押し付けである
「親のおしつけ」が
終始続いている場合も
撤退すべきケースでしょう。
そもそも
”中学受験をやりたがっていない”
というのであれば
幼少期のトラウマ
となり
その後の人生に
多大な悪影響を及ぼしてしまいます。
ケース③(能力面を考慮せず)勉強に対してのやる気が全くない
「”能力度外視に考えて”やる気を全く示さない」場合も
撤退すべきケースです。
・昨日勉強したことを全く覚えていない
・机に座ってもすぐに遊びはじめる
・暇さえ有れば遊んでいる
子供は移り気なので
「当初本人が受験を希望した」
という発言を軸に考えない方がよいです。
地頭が良く
多少勉強が出来たとしても
「受験レベルに達していない」
かつ
「やる気が全く無い」
のであれば
撤退すべきでしょう。
【ご家庭判断】続行or撤退、検討が必要なケース
次に
「撤退か」
「続行か」
検討が必要なケースを紹介します。
撤退を検討されている
多くの御家庭が
このケースに該当するのではないかと思います。
ケース①ポテンシャル面で中学受験は難しい
まず、「ポテンシャル面で」受験は難しいという場合です。
年齢的要因
能力的要因
開始時期的要因
様々な要因が考えられますが、
受験という競技が
ポテンシャルで処理しきれていない場合です。
・文章を読んでいても意味が理解できていない
・抽象的な話についていけない
・論理の積み重ねについていけない
・1日で処理できる勉強量が少なすぎる
・本人は「がんばっている」が、受験の基準値には達していない
といったケースです。
実は大部分の受験生は多かれ少なかれ
この状態にあります。
ケース②第一志望には到達できない
勉強はしているが
「第一志望合格」
は不可能という状態も
撤退か続行かを検討対象となります。
親御さんの意向
や
当初の受験開始の取り決め
により
「この学校に合格できないなら
公立中学に進学する」
という
前提で受験を開始している
御家庭は少なからずあります。
やる気があり
努力はしている状態です。
例えば
模試でも一定の結果を出している
ただ第一志望の御三家にはおよばない。
この場合であれば
中堅校に進学するというメリットがあります。
しかし、
第一志望が「家から通える中堅校」
であれば
その中堅校に合格できないのであれば
受験の意味自体が
なくなってしまいますからね。
【撤退する場合】具体的アクションプランを徹底解説
ここからは
「撤退を決めた場合」
の具体的アクションプラン
を解説していきたいと思います。
精神的/身体的なフォローをする
受験がネガティブな思い出にならないようにねぎらいの言葉をかける
「受験撤退」は
楽観的に見える小学生にとっても
辛い出来事です。
受験勉強を通して
・知った勉強
・出会えた友人や先生
・学校見学で体験したこと
・目標に向かって努力したこと
すべて大切な思い出です。
子供なりに
「精いっぱい取り組んだこと」
「将来の糧になったこと」
を全力で認めてあげましょう。
これは親御さんしかできないことだと
思います。
周囲の声から子供を守る
もう一つ親御さんにしかできないフォローがあります。
それは周囲の声から
「お子さんを守ること」
です。
冒頭でもお伝えしたとおり、
「受験の撤退」
は周囲からネガティブに映りがちです。
あからさまに醜聞を立てる人もいますし
間接的に批判してくる人もいます。
「周りの大人や子供が何か言ってきたら必ず守ってあげる」
ということをしっかりと伝えてあげましょう。
受験を辞めた後の計画について事前に約束する
ここまで
ネガティブな話が続きましたが
一般的に見れば
「中学受験勉強をしていた」
という経験は
小学生の中では
大きなアドバンテージがあります。
中学受験という世界から
目線を移せば
本当に多くのことに挑戦できる
可能性が残っていますよ!
今回は具体的に
3つのアクションプランを紹介したいと思います。
①受験以外の勉強をやってみる
中学受験は
基本的に
国語/算数/理科/社会
の勉強しかできませんでした。
その四科目を勉強しない決断をしたとしても
「知的好奇心を刺激すること」
を辞めてはいけないと強く思います。
・そろばん
・将棋
・音楽
・スポーツ
・プログラミング
・理科実験
・絵画
などなど…
受験というノルマを
課さずに知的営みを
続けてほしいというのは
撤退を決断された
お子様や御家庭に必ず伝えていたことです。
そういった知的営みについては
習い事という形で続けていくのが
お子様にとっても
非常に有益な体験となるかと思います。
私自身長く教育業界にいるので、
個性的な習い事ができるサービスもいくつか
知っているので、
ここでは2つのサービスを紹介したいと思います。
超個性的な学習サービス①
私が知っている中で最も個性的なサービスの1つが
「ゲームの家庭教師サービス」
”ゲムトレ”さんです。
料金 | ¥3,740~(1レッスン) |
講師 | プロゲーマー |
レッスン形態 | 完全オーダーメイドの個別レッスン |
無料体験授業 | 有り |
プロの「eスポーツ選手」が
ゲームを通して
脳の活性化やコミュニケーション力の養成を行ってくれます!
ゲームと言っても
学習用の面白くない(笑)ゲーム
を取り扱っているわけではありません。
「Fortnite」
「Minecraft」
といった世界的に人気のゲームで
レッスンを受けられます。
超個性的な学習サービス②
もう一つのおすすめ学習サービスは
「まなぶてらす」さんです。
オンラインで個別レッスンを受けられる学習サービスですが…
学校の勉強以外の学習サービスが非常に充実しています。
具体的には
・プログラミング
・科学実験
・そろばん
・楽器/ピアノ
・将棋
・3Dモデリング
・ヨガ/ピラティス
・DTM
・英会話
といったレッスンが用意されており、
そういった多様なレッスンが学べるため
「保護者が選ぶNo.1家庭教師サービス」
に選ばれています。
オンラインレッスンなので
・親子での受講
・最適な講師とのマッチング
が可能です。
【続行する場合】具体的アクションプランを徹底解説
次に
「受験続行する場合」
の具体的なアクションプランを解説していきたいと思います。
パターン1/勉強戦略の抜本的見直しを図る
塾のカリキュラムは気にしない(特に算数/国語)
「受験続行する場合」
勉強戦略の抜本的見直しを
行った方が良いです。
特に
・偏差値50以下が長期的に続いている
・学校の勉強もままならない
・受験レベルの問題に全く歯が立たない
という状況が
「算数」
「国語」
で発生しているならば
塾のカリキュラムを無視して
受験の初級レベルの問題から
再アプローチした方がよいでしょう。
成果の出る勉強法について情報収集をする
勉強戦略の見直しにあたり
「受験戦略の情報収集のレベル」についても
考える必要があります。
「受験について全く情報を集めず
塾に丸投げしている御家庭」
も高い割合でいらっしゃいます。
すでにこのブログ記事に辿り着いている時点で
かなり受験の情報については詳しい段階かもしれません。
【そもそも中学受験に関する情報収集をしたことがない】方向けの受験指南書
少数派だとは思いますが、
そもそも「中学受験の情報」について
ほとんど情報収集をしたことがない方は
”受験の指南書”を読んでいきましょう!
こちらの二冊の本は
中学受験をする家庭の保護者が
どんなことを知っておくべきか
丁寧に解説してくれています!
塾選びや志望校選定
といった受験戦略的な情報も豊富に網羅されております。
「受験の指南書を持っていない!」
という方はこちらの二冊を
まず読んでいくとよいでしょう。
【科目別受験指南書】算数の勉強戦略を見直したい方
算数の成績向上を目指したい方は
「算数日本一の子ども30人を生み出した究極の勉強法」
という本をおすすめします。
志望校を変える
稀に
当初目指している中学校以外の受験先を
全く検討していない
という御家庭もあります。
成績が向上していない状況で
受験続行する場合、
志望校チェンジも検討にいれましょう!
パターン2/ノルマなしの勉強に切り替え
受験続行する場合の
もう一つの選択は
「志望校合格の可能性は捨てた状態で、受験だけはさせる」
というパターンです。
このケースは
・お子様は受験をしたがっている
・勉強自体にはしっかり取り組んでいる
・ただ志望校にはおよばない
という条件がそろっている時は
採用して良い方法です。
一種の社会経験として
受験を完走させてあげる
というものです。
そのまま受験塾に通うという方法もありますが、
資金面の制約
や
学習生産性が劣る場合は
「親塾」
「家庭教師のみつける」
という方法に切り替えましょう。
あくまで
「受験を完走させる」
ということが目的なので、
”学習ノルマ”
”合格のための劇詰めカリキュラム”
は不要です。
親塾
親の指導の下、
受験を完走させるのであれば
以下の指南書を参考にすると良いです。
こちらの本は
中学受験における
「親の向き合い方」
に特化した指南書です。
個別指導
「受験完走」を目的とした場合の
手段の1つとして
家庭教師をつけるという手があります。
合格レベルには到達しなくとも
お子さんのペースでやるべきことを
日々行っていくという戦略ですね。
こちらのまなぶてらすは
・入会金なし/強制購入教材なし
・1コマあたり1,760円から可能
・レッスン形態は完全オーダーメイド
なので、
受験の合格前提としない場合にも
柔軟にリクエストに応えてくれます。
終わりに
中学受験は
多くの難しさがあり、
一概に正解を導くことができません。
それぞれのお子様、親御様に
お悩みがあるかと思います。
本記事が問題の解決の一助になれば幸いです。