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中学受験、親の「つきっきり」は必要?メリット・デメリットと適切な関わり方

中学受験、親の「つきっきり」は必要?メリット・デメリットと適切な関わり方

この記事書いた人「神泉忍」について

  • 慶應義塾大学総合政策学部卒
  • 2013年から10年以上中学受験指導に携わる
  • 2017年からは、オンライン指導とオフライン指導を並行して実施する私塾を開設
  • 国語と作文指導が専門
  • Xで受験関連の情報を毎日発信中
  • 中高一貫校専門作文添削塾を運営中
  • 事業会社にてWEBマーケティング領域業務にも従事
  • 当サイトではアフィリエイトプログラムを使用しています

中学受験でお子様の勉強に「つきっきり」になるべきか悩んでいませんか?つきっきりのメリット・デメリット、お子様への影響、そして親子で無理なく合格を目指すための適切な関わり方を「中学受験プロ講師」の神泉忍が具体的に解説します。

この記事でわかること

  • 親がつきっきりになるメリット・デメリット
  • つきっきりが子供に与える影響
  • 中学受験での親の適切な関わり方
目次

中学受験、親の「つきっきり」って本当はどうなの?

中学受験の世界では、「親がつきっきりでサポートしないと合格できない」という話を耳にする機会が多いかもしれません。お子様のために何かできることはないかと考えるのは、親として自然な気持ちです。

しかし、その関わり方が「つきっきり」になってしまうと、本当に良い結果につながるのでしょうか。この記事では、中学受験における親の「つきっきり」について、さまざまな角度から考えていきます。

「つきっきりは不可欠」は本当?

「中学受験の成功には、親のつきっきりサポートが不可欠」という話は、中学受験の定説として語られていますし、サポートは必須であるのが現実です。しかし、すべての家庭で親が四六時中子供の隣に座り、勉強を見続ける必要は必ずしもないのです 各家庭の状況やお子様の性格によって、最適な関わり方は異なります。「つきっきり」が唯一の正解ではないことを、まずは心に留めておきましょう。

なぜ親は「つきっきり」になりがちなのか

では、なぜ多くの保護者が「つきっきり」の状態に陥りやすいのでしょうか。その背景には、いくつかの心理的な要因があります。

  • 我が子の成績が思うように上がらないことへの焦りや不安
  • 周りの家庭もやっているからという同調圧力
  • 塾から手厚いサポートを期待されているというプレッシャー
  • ご自身の受験経験から「これくらいやるのが当然」と考えてしまう

これらの要因が複合的に絡み合い、気づけば過度な関与につながってしまうのです。

「つきっきり」家庭のリアルな日常とは

「つきっきり」と一言でいっても、その実態はさまざまです。例えば、お子様が勉強している間、常に親が隣に座って監視するように見守る。学習スケジュールを分刻みで管理し、少しでも遅れると厳しく注意する。塾の教材整理やノートのコピー、大量の宿題の丸付けまで、すべて親が完璧にこなそうとする。このような状況が続くと、親も子も精神的に追い詰められ、家庭全体の雰囲気が重くなってしまうことがあります。

我が家はつきっきり?客観的に見るポイント

ご自身の関わり方が「つきっきり」になっていないか、一度立ち止まって考えてみることも大切です。例えば、「親が指示しないと子供が勉強を始めない」「親がそばにいないと、とたんに集中力がなくなる」「子供の成績の変動に、親が感情的になりすぎる」「子供の失敗を許せず、すぐに叱ってしまう」。もし、これらの点に心当たりが多い場合は、少し関わり方を見直す時期かもしれません。 お子様の自立を妨げていないか、客観的な視点で振り返ってみましょう。

そもそも「つきっきり」の定義とは?

どこからが「やりすぎ」で、どこまでが「適切なサポート」なのでしょうか。正直なところ、「つきっきり」に明確な定義や線引きはありません。しかし一般的には、子供の自主性を尊重せず、親が学習のすべてをコントロールしようとする過干渉・過保護な状態を指すことが多いといえます。 子供が自分で考える機会や、試行錯誤する経験を奪ってしまうような関わり方は、「つきっきり」と見なされる可能性が高いでしょう。

親の不安が「つきっきり」を加速させる

中学受験は、親にとっても大きな挑戦です。「本当に合格できるだろうか」「このままで大丈夫だろうか」といった不安は尽きません。しかし、その親自身の不安感が、結果として子供への過度な期待や干渉、つまり「つきっきり」の状態を招いてしまうことがあります。 不安な気持ちは理解できますが、その不安を子供にぶつけるのではなく、親自身がどう向き合い、乗り越えていくかが重要になります。

塾長 神泉

「つきっきり」の程度は家庭それぞれ。まずは現状を客観視しましょう。

親がつきっきりになるメリット

親がつきっきりになるメリットまとめ

  • 学習状況を細かく把握できる
  • 子供の質問にすぐ対応できる
  • 精神的な安心感を与えられる

メリット①学習状況を細かく把握できる

親がそばで勉強を見る大きなメリットの一つは、お子様の学習状況をリアルタイムで把握できることです。どの問題でつまずいているのか、どこが理解できていないのかをすぐに察知できます。これにより、苦手な分野や理解不足な点を早期に発見し、すぐに対策を講じることが可能になります。

塾長 神泉

タイムリーなフォローアップは、学習効率を高める上で役立つでしょう。

メリット②子供の質問にすぐ対応できる

勉強を進めていると、子供はさまざまな疑問にぶつかります。親がそばにいれば、その疑問にすぐ答えてあげられます。わからないことを放置せずにその場で解決できるため、学習がスムーズに進み、子供の「わからない」というストレスを軽減できる可能性があります。 一方で、難易度の高い問題や学習戦略などで不要なアドバイスをしてしまうこともあり得ます。

塾長 神泉

あくまで大人の常識で答えられる質問に対応することが大切です。

メリット③精神的な安心感を与えられる

小学校低学年のお子様や、もともと不安を感じやすいタイプのお子様にとっては、親がそばにいてくれることが精神的な支えとなり、安心して学習に取り組める場合があります。親に見守られているという感覚が、学習へのモチベーションにつながるケースもあるでしょう。

塾長 神泉

ただし、これが過度な依存につながらないよう、年齢や性格に応じた配慮が必要です。

親がつきっきりになるデメリット

親がつきっきりになるデメリットまとめ

  • 子供の自主性が育ちにくい
  • 親子関係が悪化するリスク
  • 親自身の負担が大きすぎる

デメリット①子供の自主性が育ちにくい

親がつきっきりで指示を出し、手助けをしすぎると、子供は自分で考えて行動する機会を失ってしまいます。常に親の指示を待つようになり、自分で計画を立てたり、困難な問題に粘り強く取り組んだりする力が育ちにくくなることが懸念されます。 将来的に求められる自律的な学習姿勢の基礎を築く上で、マイナスとなる可能性があります。

デメリット②親子関係が悪化するリスク

勉強を介して親が子供に関わりすぎると、どうしても注意したり叱ったりする場面が増えがちです。学習のサポートがいつの間にか「監視」や「強制」のようになり、子供が反発心を抱いたり、親に対して心を閉ざしてしまったりする可能性があります。 良好な親子関係を維持するためにも、適切な距離感を保つことが重要です。

デメリット③親自身の負担が大きすぎる

お子様の勉強に常につきっきりでいることは、親にとって時間的にも精神的にも非常に大きな負担となります。親が心身ともに疲弊してしまうと、イライラしやすくなったり、家庭全体の雰囲気が悪くなったりする可能性があります。 親自身の健康と心の余裕を保つことも、中学受験を乗り越える上で忘れてはならない大切な要素です。

「つきっきり」がお子様に与える影響とは

親の過度な関与である「つきっきり」は、お子様の成長にさまざまな影響を及ぼす可能性があります。学力面だけでなく、自主性や精神面、さらには中学入学後の適応にも関わってくる問題です。

学力への影響

親がつきっきりで勉強を見れば、一時的にテストの点数が上がったり、苦手分野を克服できたりするかもしれません。しかし、それは親の力による部分が大きい可能性があります。本当の意味で「自分で考えて問題を解く力」や「応用力」が身についていないと、中学に入って学習内容が高度化・複雑化した際に伸び悩んでしまうケースが見られます。 長期的な視点で学力を育てることが大切です。

自主性への影響

常に親がやるべきことを指示し、スケジュールを管理していると、子供は自分で考えて行動する必要性を感じなくなります。その結果、何事も親の指示がないと動けない「指示待ち」の状態になってしまう可能性があります。 これは学習面にとどまらず、生活全般、さらには将来社会に出たときの主体性にも影響を与えかねません。

精神面への影響

親からの期待が大きすぎると、子供は「失敗してはいけない」「親をがっかりさせたくない」という過度なプレッシャーを感じるようになります。勉強が楽しいものではなく、苦痛な義務になってしまったり、失敗を極度に恐れるようになったりする可能性があります。 また、常に親に頼る状況は、精神的な自立を妨げ、親への依存心を強めてしまう側面もあります。

親子関係への影響

小学校高学年から中学生にかけては、多くの子が思春期・反抗期を迎えます。この時期に親が過度に干渉し続けると、子供の反発はより一層強くなる傾向があります。勉強を巡る親子の対立が激化し、コミュニケーションが取れなくなったり、関係が修復困難なほど悪化してしまったりするケースも少なくありません。 親子関係は、受験の結果以上に大切なものです。

中学入学後のギャップに苦しむことも

中学受験まで親が手取り足取りサポートしてきたお子様が、いざ中学校に入学すると、自分で学習計画を立て、膨大な量の課題をこなし、部活動などとの両立も求められるようになります。この大きな環境の変化と、これまでとのギャップに対応できず、学習意欲を失ってしまったり、学校生活になじめなかったりする場合があります。 受験の先にある中学校生活を見据えたサポートが必要です。

塾長 神泉

子供の将来を見据え、自ら学ぶ力を育む視点が大切です。

中学受験成功へ導く!親の適切な関わり方

では、「つきっきり」にならず、お子様の力を最大限に引き出すためには、親はどのように関わっていくのが良いのでしょうか。ここでは、中学受験を成功に導くための、親の適切な関わり方のポイントをご紹介します。

親の適切な関わり方まとめ

  • 「伴走」を意識する
  • 学習環境を整える
  • スケジュールは「一緒に」
  • プロセスを褒めて自信を育む
  • NG行動を避ける
  • 家庭内で協力する

「つきっきり」より「伴走」を意識する

親が主役になって子供を引っ張っていくのではなく、子供の隣で、あるいは少し後ろから、そっと支える「伴走者」としての意識を持つことが大切です。主役はあくまでもお子様自身であり、親はそのサポート役に徹するというスタンスが、子供の主体性を育みます。 ゴールまで一緒に走り抜ける、頼れるパートナーを目指しましょう。

学習環境を整えるサポートに徹する

親が直接勉強を教えることよりも、お子様が集中して学習に取り組める環境を整えることに力を注ぎましょう。例えば、静かで整理整頓された学習スペースを用意する、必要な文房具を切らさないようにする、勉強の妨げになるものを視界から遠ざけるなど、環境面でのサポートは親ができる重要な役割です。 子供が「さあ、勉強しよう」と思える環境作りを心がけましょう。

塾長 神泉

学習環境の整え方についてこちらの記事でより詳しく解説しています。

スケジュール管理は「一緒に」が基本

学習計画やスケジュール管理は、親が一方的に決めて押し付けるのではなく、必ずお子様と一緒に話し合いながら進めましょう。子供自身の意見を聞き、納得感を持たせることが、計画を実行するモチベーションにつながります。 最初は親が主導する部分が多くても、徐々に子供自身に任せる範囲を広げていくように、段階的にサポートしていくのが理想です。

子供の「できた!」を認め、自信を育む声かけ

テストの点数や偏差値といった結果だけにとらわれず、お子様の努力や成長した点を見つけて具体的に褒めることを意識しましょう。「難しい問題に最後まで粘り強く取り組めたね」「前はできなかった計算がスムーズになったね」など、プロセスを認める声かけは、子供の自信と次への意欲を育てます。 自己肯定感を高めることが、受験を乗り越える力になります。

これはNG!子供のやる気を削ぐ親の行動

良かれと思ってしていることでも、子供のやる気を削いでしまうNG行動があります。例えば、他の子と成績を比較する、結果が悪かったときに感情的に叱りつける、子供の気持ちを無視して親の期待を押し付ける、などが挙げられます。 こうした行動は、子供の学習意欲を低下させるだけでなく、親子関係にも悪影響を及ぼすため、意識して避けるようにしましょう。

父親と母親、それぞれの役割分担のヒント

中学受験は、母親だけ、あるいは父親だけが抱え込むものではありません。ご家庭で協力体制を築くことが大切です。例えば、学習計画や進捗管理は母親が中心になり、父親は子供の気分転換になるような遊び相手になったり、精神的な支えになったりするなど、それぞれの得意分野や状況に応じて役割分担を考えてみましょう。 夫婦でしっかりコミュニケーションを取り、協力して乗り越える意識が重要です。

「つきっきり」以外の選択肢と心構え

すべての家庭が、親がつきっきりでサポートできるわけではありません。また、それが最適解とも限りません。ここでは、「つきっきり」以外の選択肢や、中学受験期を親子で乗り越えるための心構えについてお伝えします。

塾や家庭教師との上手な連携方法

学習内容の指導については、塾や家庭教師といった専門家に任せるというのも有効な選択肢です。大切なのは、専門家と家庭がしっかりと連携を取ることです。 定期的に面談の機会を持ち、お子様の学習状況や課題について情報共有し、家庭ではどのようなサポートをすれば良いか具体的に相談しましょう。役割分担を明確にすることで、親の負担も軽減されます。

共働き家庭でもできるサポートの工夫

お仕事で忙しい保護者の方も、工夫次第でお子様をしっかりサポートすることは可能です。重要なのは、時間の長さよりも関わりの質です。 例えば、毎日寝る前に短い時間でもお子様の話をじっくり聞く、「勉強しなさい」ではなく「一緒に頑張ろう」と声をかける、週末にまとめて学習計画を確認するなど、限られた時間の中でできることを見つけて実践しましょう。外部のサポートを上手に活用するのも一つの手です。

親自身の心と時間のゆとりを持つ大切さ

中学受験はお子様だけでなく、親にとっても大きなストレスがかかる期間です。親が心身ともに健康で、精神的なゆとりを持っていることが、結果としてお子様への安定したサポートにつながります。 意識的に休息をとる、趣味の時間を持つ、時には弱音を吐ける相手を見つけるなど、親自身のケアも忘れずに行いましょう。親が笑顔でいることが、家庭の明るさにつながります。

子供の成長を信じて見守る勇気を持つ

心配するあまり、つい口や手を出したくなるのが親心かもしれません。しかし、時にはぐっとこらえ、お子様自身が考え、壁を乗り越える力を持っていると信じて見守る姿勢も大切です。過干渉にならず、お子様の力を信じ、適切な距離感を保つこと。それは親にとって勇気がいることですが、その信頼がお子様を大きく成長させます。

【厳選】中学受験/親の関わり方に関するおすすめ指南本まとめ

中学受験で「親がどう関わるべきか」ということについてより、詳細に解説した指南本をご紹介します。

中学受験/親の関わり方に関するおすすめ指南本まとめ

【おすすめ指南書①】後悔しない中学受験100が知っておきたいこと、できること

  • Amazonレビューの声
    • 受験に関する情報を、ただ並べるのではなく「具体的に」「何を」「どう」するとよいかまで書かれています。
    • 笑っちゃうエピソードもたくさんあって、子供も一緒に読んで笑い、親が言っても完全スルーな勉強法も、「ふむふむ」と納得してもらうことにも使えました。

【おすすめ指南書②】中学受験自走モードにするために親ができること

  • Amazonレビューの声
    • 言葉選びが絶妙で読みやすく、書かれてる内容を子供に説明するにも拝借しやすく非常に助かりました。
    • 知りたいことというより、中学受験に関する本質が書いてある。
塾長 神泉

受験指南本について100冊以上もっている私が厳選した2冊がこちらです。

まとめ

中学受験における親の関わり方に、唯一の正解はありません。「つきっきり」が良いか悪いかという二元論で考えるのではなく、ご家庭の状況やお子様の個性に合わせて、最適な距離感やサポートの形を見つけていくことが何よりも大切です。試行錯誤の連続かもしれませんが、その過程もお子様と一緒に乗り越える貴重な経験となるはずです。中学受験は、親子が共に成長できる大きなチャンスでもあります。 どうか、お子様の力を信じ、ご自身も大切にしながら、前向きな気持ちでこの挑戦を乗り越えていってください。「学習支援サービス フォーミュラ」は、頑張る皆さんを心から応援しています。

中学受験では、親が子どもの勉強に「つきっきり」になるべきですか?

必ずしも「つきっきり」が最善とは限りません。学習状況を把握できるメリットもありますが、子どもの自主性を妨げたり、親子関係が悪化したりするデメリットもあります。各家庭の状況やお子様の性格に合わせ、適切な距離感でサポートすることが大切です。

親が勉強に「つきっきり」になるメリットは何ですか?

子どもの学習状況を細かく把握でき、苦手な点を早期に発見・対処できることです。また、子どもの質問にすぐ答えられるため学習がスムーズに進み、精神的な安心感を与えられる場合もあります。ただし、過度な依存につながらないよう注意が必要です。

親が勉強に「つきっきり」になるデメリットや子どもへの影響は?

子どもが自分で考えて行動する機会を失い、自主性が育ちにくくなります。また、親子関係が悪化するリスクや、親自身の心身の負担も大きいです。将来的に子どもの精神的な自立を妨げ、中学入学後のギャップに苦しむ可能性もあります。

中学受験で「つきっきり」にならず、親として適切に関わるにはどうすれば良いですか?

子どもの「伴走者」として、学習環境を整えるサポートに徹しましょう。スケジュール管理は子どもと一緒に考え、結果だけでなく努力のプロセスを具体的に褒めて自信を育むことが大切です。他の子と比較したり、感情的に叱ったりするのは避けましょう。

共働きなどで「つきっきり」になれない場合、どうサポートすれば良いですか?

時間の長さより関わりの質が重要です。短い時間でも子どもの話をじっくり聞く、塾や家庭教師と連携して役割分担するなどの工夫ができます。また、親自身の心と時間のゆとりを持つことも大切です。お子様の力を信じて見守る姿勢を持ちましょう。

当ブログでは受験勉強に関する様々な情報をプロ講師目線で発信しています。他の記事もぜひご覧ください。

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