この記事書いた人「神泉忍」について
- 慶應義塾大学総合政策学部卒
- 2013年から10年以上中学受験指導に携わる
- 2017年からは、オンライン指導とオフライン指導を並行して実施する私塾を開設
- 国語と作文指導が専門
- YouTubeで受験関連の情報を発信中
- 中高一貫校専門作文添削塾を運営中
- 事業会社にてWEBマーケティング領域業務にも従事
- 当サイトではアフィリエイトプログラムを使用しています
国語の記述問題はみんな悩んでいる・・・

小学生にとって国語の記述は鬼門
抽象思考が未発達の12歳の子供にとって、抽象度の高い読み取りと、それに応じた記述というのはそもそも難易度が高いです…。多くの保護者様が「記述問題」に頭を悩ませています。
記述問題の目標得点は?

記述問題の心構えまとめ
- 記述問題では4割の得点率を目標にする
- 完璧な答案は求められていない
- 小学生にとってそもそも難しい作業
- 難問ではなく基本~標準問題でしっかりと得点する
そもそも求められている水準はそこまで高くない
では、中学受験国語において、どの程度のレベルの記述力が要求されるのでしょうか。結論から言うと、「そこまで高くない」と言えます。10点の記述問題であれば、「半分も取れていればダメージは少ない」と言えるでしょう。これは、そもそも、「年齢的に抽象思考が未発達だから」というのがすべての受験生に当てはまるためです。間違っても、
過去問の模範解答のような記述が求められていると勘違いしないようにしてください。
難関校合格者の答案も完璧とは言いがたい
中学受験生一般にとって、求められている水準は高くないとしても、難関校においてはどうなのでしょうか。こちらについても、「難関校合格者の答案でも完璧とはいいがたい」という結論になります。御三家を中心とした有名中学では大人でも頭を使うような難しい記述問題を出題しています。こういった難しい記述問題に対して合格者はどのように対処しているのでしょうか。
- 「簡単な問題で落とさない」
- 「表現は稚拙でも内容の方向性があっている」
- 「基礎的な記述の作法ができている」
こういった部分ができていれば、十分難関校の記述問題についても合格点を確保することができます。もし、難関校の赤本のお持ちでしたら、合格者平均点と照らし併せて、記述問題が何割得点出来ていればよいか、計算してみてください。おおよそ、3~4割得点できれば、大きな痛手にはならないということが分かるかと思います。
基礎基本をしっかりと固めよう

記述問題において「基礎基本」とは具体的にどのようなことを指すのでしょうか。大きく2つの観点で整理します。
基礎基本その①正確な読み取り
記述問題においても、他の問題においても、そもそも本文の内容を正確に読めていることが大前提となります。「記述問題で得点できない」「選択肢問題で得点できない」と問題のジャンル別に対策を考える保護者様も多いです。しかし、実際その子の読解を見てみると、「そもそも本文の読み取りが不正確」ということが多いです。まずは、「正確な読み取り」をできることを目指していきましょう。
基礎基本その②記述の作法
「正確な読み取り」を習得すると同時に、記述の基本的な作法を身につけていきましょう。以下が記述の超基本技術です。
守るべき記述の作法(表現編)まとめ
- 客観的表現を用いる
- 本文中の「比喩」「台詞」「具体例」などはそのまま書いてはいけない
- 本文の表現を変につまみぐいしない
- 本文に客観的表現があるのであればそのまま用いる
- 変にかいつまんで抜き出すと意味合いが変わってしまう
- 短い文で書く
- 「。」で区切らず長い文を書くと意味内容が伝わらない
- 設問に対応した文末表現にする
- なぜですか?:「~だから」「~ため」
- どういうことですか?:「~ということ」
- まとめなさい:「~である。」等、通常の文としてまとめる
- 「対比関係」「因果関係」を明示する表現を盛り込む
- 対比関係:「~ではなく」「一方」「だが」「けれど」等
- 因果関係:「~ので」「~から」等
- ”言い換え”を記述内で行う必要はないので不要
守るべき記述の作法(内容編)まとめ
- 下書きを必ずする
- おおよそどんな内容で書くかメモ書きする
- すべて書く必要は無い
- 下書きなしで清書を書くのはプロ講師でも難しい
- 出題者が答えて欲しい内容を書く
- 「言い換え関係」「対比関係」「因果関係」を元に設問は作られている
- それらの関係を読み取れていることをアピールするのが国語
- ただ本文を読めているだけのではなく、設問に答えられていることを表現する
- 本文内の論理関係を記述でも再現する
- 「対比関係」「因果関係」が本文にある場合、記述ないにも盛り込む
- 記述自体が本文の言い換え作業でもあるので、「言い換え関係」を盛り込む必用は無い

こういった超基本的なことをやるだけで「1~2点」の失点は確実に防げます。
【中学受験国語】記述の基本を学べるテキスト


ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集<一文力編>
ふくしま式の「一文力」は意味が通じる「一文」を完成させることに主眼を置いたドリル式の問題集です。
- 長文を書く以前に、「。」で区切った一文を満足に書けていない
- 国語が苦手で記述問題にチャレンジできていない
という状態の受験生におすすめのテキストです。
ふくしま式200字メソッド「書く力」が身につく問題集
「ふくしま式200字メソッド」では、「言い換え関係」「対比関係」「因果関係」を軸に、文章の書き方をトレーニングします。記述答案が論理的ではないという問題を解決できるテキストです。
- そもそも論理的とはどういうことか。
- 論理関係を記述に埋め込むためにはどうすればよいか。
という考え方から学ぶことができるので、設問の形式に惑わされない本質的な読解力が身につきます。自由作文や要約トレーニングも付属しているので、中高一貫校の適性検査(作文試験)対策もこのテキストでカバーできます。
【中学受験国語】入試レベルの記述テクニックを学べるテキスト


若杉先生の国語の記述対策本は、合計三冊出版されています。中学受験生をターゲットに書かれているので、受験レベルになれた子におすすめですね。まずは「中学受験国語 記述問題の徹底攻略」をしっかりとこなしていきましょう。余裕があれば、あとの二冊も取り組んでみましょう。
中学受験国語 記述問題の徹底攻略
中学受験国語 記述問題の徹底攻略 基礎演習編
中学受験国語 記述問題の徹底攻略 発展編
まとめ


中学受験の国語における記述問題は、抽象思考が未発達な小学生にとって難題です。しかし、満点を取る必要はなく、目標は4割程度の得点率とされています。重要なのは、完璧な模範解答を目指すのではなく、正確な本文読解と記述の基本作法を習得することです。具体的には、客観的な表現を用い、設問に応じた文末表現や「対比関係」「因果関係」を明確にする書き方を心がけ、下書きをする習慣をつけることが大切です。
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中学受験国語に関する記事一覧
有名中学校国語過去問の傾向と対策
- 中学受験国語の記述問題において、小学生はどの程度の得点率を目指せば良いのでしょうか?
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抽象思考が未発達な小学生にとって記述問題は難易度が高いため、完璧な答案は求められていません。10点満点の記述問題であれば、4割から半分程度の得点率を目指すことで、大きな痛手にはならないとされています。過去問の模範解答のようなレベルは求められていないことを理解しておくことが大切です。
- 難関校の中学受験国語で合格点を取るために、記述問題でどのような対策をすれば良いですか?
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難関校の記述問題でも完璧な答案は求められません。「簡単な問題で落とさない」「表現が稚拙でも内容の方向性が合っている」「基礎的な記述の作法ができている」の3点が重要です。赤本で合格者平均点と照らし合わせ、3〜4割の得点率を目指して対策を進めましょう。
- 中学受験国語の記述問題における「基礎基本」とは具体的に何を指しますか?
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記述問題の「基礎基本」は大きく2つあります。1つ目は「正確な読み取り」で、本文の内容を正確に理解することが前提です。2つ目は「記述の作法」で、客観的表現の使用、適切な文末表現、対比関係や因果関係の明示など、記述の基本的な技術を身につけることを指します。
- 記述問題の「作法」の中でも、特に意識すべき表現のポイントは何ですか?
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記述の作法で意識すべき表現のポイントはいくつかあります。客観的表現を用い、本文中の比喩や台詞、具体例をそのまま書かないこと、そして本文の客観的表現はそのまま用いることが重要です。また、「。」で区切った短い文で書き、設問に対応した文末表現(例:「~だから」「~ということ」)にすること、さらに「~ではなく」「~なので」といった対比関係や因果関係を明示する表現を盛り込むと良いでしょう。